NISAとiDeCoはどっちを優先すべきなのか?それぞれのメリットとデメリットを解説していく。

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こんにちは、FPなおやんです。

老後資金づくりや資産形成を考えるとき、

NISAとiDeCo、どちらを優先した方がいいの?

こんな悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。

どちらも税制優遇がある素晴らしい制度ですが、それぞれ特徴や注意点が異なります。

本記事では、ファイナンシャルプランナーの視点から「NISAとiDeCoの違い」「向いている人」「優先順位の考え方」を詳しく解説します。


1. そもそもNISAとiDeCoって何?

NISA・iDeCoのそもそもの制度を簡単にまとめていきます。

◆ NISA(少額投資非課税制度)

NISAの特徴は以下のとおりです。

NISAの特徴
  • 株式や投資信託の運用益が非課税になる制度
  • 新NISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がある
  • 年間最大360万円(合計)まで投資可能
  • いつでも自由に引き出せる

つまり、NISAは 「使い勝手がよく、柔軟性の高い投資の非課税枠」 と言えます。

◆ iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoの特徴は以下のとおりです。

iDeCoの特徴
  • 掛金が全額所得控除となり、節税効果が非常に大きい
  • 運用益も非課税
  • 受け取り時にも控除がある(退職所得控除・公的年金等控除)
  • ただし、原則60歳まで引き出せない

つまり、iDeCoは 「老後資金専用で強力な節税効果がある制度」 と言えます。

2. NISAとiDeCoのメリット・デメリット

NISAとiDeCoそれぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。

◆ NISAのメリット

  • いつでも引き出せる
  • 年間投資枠が大きい(最大360万円)
  • 投資対象の幅が広い(株・投信・ETFなど)

◆ NISAのデメリット

  • 掛金に対する所得控除はない
  • 自分の投資余力がないと枠を活かしきれない

◆ iDeCoのメリット

  • 掛金が全額所得控除 できるため 所得税・住民税を軽減
  • 運用益も非課税
  • 受け取り時にも控除がある
  • 老後資金を強制的に積み立てられる

◆ iDeCoのデメリット

  • 60歳まで引き出せない
  • 口座管理手数料がかかる
  • 自営業・会社員・公務員などで掛金の上限が異なる

3. どちらを優先すべきか?タイプ別に解説

結論から言うと、 その人や考え方によって優先順位は変わる というのが正解です。

ここでは、タイプ別にどちらを優先したらよいのかまとめていきます。

◆ 生活資金に余裕がない人

NISAを優先するのがおすすめ

  • いつでも引き出せるため、教育費や急な出費にも対応可能。
  • iDeCoは流動性が低いため、生活に余裕ができてから始める方が安心。

◆ 年収が高く節税効果を最大化したい人

iDeCoを優先するのがおすすめ

  • 所得控除の恩恵が大きい。
  • 年収700万円以上の会社員や自営業者にとって、節税額は年間数十万円になるケースもある。

◆ 老後資金をしっかり準備したい人

iDeCoを優先するのがおすすめ

  • 60歳まで引き出せないため、確実に老後資金を積み立てられる。

◆ 投資経験を積みたい人

NISAを優先するのがおすすめ

  • 少額から始めらる
  • 柔軟に引き出せるので投資の練習に最適。
  • 損失が出ても生活に支障が出にくい。

4. FPがおすすめする「両立プラン」

実際には「NISAとiDeCo、両方を組み合わせる」のがベストです。

◆ ステップ1:まずNISAから始める

  • 生活資金を確保しながら投資をスタート
  • 余剰資金で毎月1~3万円を積み立て

◆ ステップ2:余裕が出たらiDeCoを追加

  • 節税効果をフル活用
  • 老後資金を確実に確保
  • 特に年収が高い人は早めに始めると有利

◆ ステップ3:ライフイベントに合わせて調整

  • 教育費がかかる時期はNISAメイン
  • 子育てが落ち着いたらiDeCoの掛金を増やす

5. 具体例でシミュレーション

ここでは具体的な例を挙げていきます。

ケースA:年収500万円・会社員・30歳

  • NISA:月2万円積み立て
  • iDeCo:月1万円積み立て

 20年後…

 NISAでの元金は、月2万円×12か月×20年=480万円。

 仮に年利4%で運用した場合、732万円に。

 iDeCoは、年間の節税額が約3.6万円×20年=72万円

 運用額は、月1万円×12か月×20年=240万円

 仮に年利4%で運用した場合、366万円に。

 トータルで72万円の節税をしながら1,098万円の資産形成が可能です。

ケースB:年収800万円・会社員・40歳

  • NISA:月3万円積み立て
  • iDeCo:月2万円積み立て

 20年後…

 NISAでの元金は、月3万円×12か月×20年=720万円。

 仮に年利4%で運用した場合、1,098万円に。

 iDeCoは、年間の節税額が約7.9万円×20年=158万円

 運用額は、月2万円×12か月×20年=480万円

 仮に年利4%で運用した場合、732万円に。

 トータルで158万円の節税をしながら1,830万円の資産形成が可能です。

6. まとめ:優先順位の考え方

  • 生活資金に不安がある人 → NISAを優先
  • 節税メリットを重視したい人 → iDeCoを優先
  • 将来の安心を確実にしたい人 → iDeCoを優先
  • 投資の自由度を重視する人 → NISAを優先

どちらもメリット・デメリットはありますが、どちらも有効活用することにより、大きな資産形成の支えになります。

大切なことは、 NISAとiDeCoをバランスよく併用する こと。

まずは少額から始めてみて、自分の家計やライフプランに合った投資スタイルを見つけましょう。

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