こんにちは、FPなおやんです。
値上げの波は止まりませんね。様々な食品の価格が高騰しているなか、米の値段も高騰しています。
おにぎりでいうと、100円~120円のイメージだったコンビニおにぎりも200円前後となっています。
そもそも、なぜ米価が高騰しているのか。
1合あたりの価格はいくらなのか?
米の値段を冷静に把握し、家計への影響を考えることで、効率的な資産形成に繋がります。
なぜ米価が高騰しているのか?
そもそも、米価が高騰している理由を整理していきましょう。
① 天候不順による不作
近年、猛暑や豪雨、台風の影響で収穫量が減少しています。
品種改良などありますが、基本的には、米は高温に弱く、登熟(お米が実る過程)に影響が出ると粒が小さくなり、収穫量が落ちます。
2023年以降は全国的に猛暑の影響が大きく、「不作年」と呼ばれる年が続きました。供給が減れば、当然市場価格は上がります。
② 生産コストの上昇
農家にとって大きな負担となっているのが「肥料・燃料・資材価格の高騰」です。
化学肥料の多くは輸入に依存しており、円安や国際情勢の影響を受けやすい状況にあります。
また、農機具を動かす軽油やガソリン代も高止まりしており、生産コストが上昇した分が米価に反映されています。
③ 米の需給バランスの変化
コロナ禍以降、外食産業やインバウンド需要が回復したことで、業務用米の需要が増えています。
さらに家庭用米も「備蓄」や「ふるさと納税」の影響で需要が底堅くなっており、需給バランスがタイトになっていることが価格を押し上げています。
④ 為替と輸入小麦・パン価格の影響
円安の影響で小麦の輸入価格が上昇し、パンや麺類が高くなっています。
結果的に「主食をお米に戻そう」という動きが出ており、お米の需要を押し上げています。
消費者の選択行動が、米価上昇に拍車をかけているのです。
玄米30kgを買った場合のコスト計算
では、実際にスーパーや農協で「玄米30kg」を購入した場合を想定してみましょう。
1. 玄米30kgの購入価格
2024年~2025年の相場をみると、地域や銘柄によって差はありますが 30kgで13,000円~15,000円前後 が一般的です。ここでは分かりやすく「15,000円」で計算します。
2. 精米すると減る重量
玄米を精米すると、ぬかや胚芽が削られるため重量が減ります。一般的に 約90%程度が白米として残る と言われています。
- 玄米30kg → 白米約27kg
3. 白米1合あたりの価格
1合は「150g(0.15kg)」です。
白米27kgを1合に換算すると…
- 27,000g ÷ 150g ≒ 180合
15,000円 ÷ 180合 = 約84円/1合
つまり、1合(お茶碗2杯分程度)で約80円程度のコストとなります。
4. 白米100gあたりの価格
15,000円÷白米27,000g= 1gあたり約0.55円。
つまり、100gで約55円 となります。
家計への影響はどれくらい?
日本人の1人あたりの年間米消費量はおおよそ50kg前後。
仮に4人家族で年間200kgを消費する場合、白米100g=55円で計算すると…
- 年間200kg × 55円/100g × 10(100gあたりで換算)
= 約104,000円
1か月あたりでは 8,600円程度。
主食としての米代が月9,000円弱というのは、外食やパン中心の食生活に比べるとまだコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。
値上がり局面でできる工夫
① 玄米で買って精米する
スーパーで売られている2kgや5kgの白米は割高です。玄米30kgを農家やJAから直接買い、精米機で必要な分だけ精米すればコストを抑えられます。
② ふるさと納税を活用する
米はふるさと納税の返礼品の定番。自己負担2,000円で年間60kg以上受け取れるケースもあり、家計の助けになります。
③ 食味を維持する保存方法
せっかく高いお米を買っても、保存に失敗して虫が湧いたり風味が落ちたりすれば損です。冷蔵庫や米専用の保存容器を使い、適切に保存することが重要です。
まとめ
米価高騰の背景には、天候不順による不作、生産コストの上昇、需給バランスの変化、そして円安や食生活の変化など、複数の要因が絡んでいます。
とはいえ、玄米30kgを購入して精米すれば、白米1合あたり約80円、100gあたり約55円で食べられる計算です。
主食として考えれば、まだまだコストパフォーマンスは高い「日本の食卓の中心」。
値上がりが続くなかでも、購入方法や保存方法を工夫すれば、家計にやさしくおいしいお米生活を続けることができます。



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