
こんにちは、FPなおやんです。
企業経営をしていると、必ず耳にするのが「運転資金」という言葉です。
しかし実際には、「なんとなく知っているけど、正確な意味はわからない」という経営者の方も少なくありません。
運転資金は、会社の血液ともいえる重要な資金であり、資金繰りを安定させるうえで欠かせない要素です。
この記事では、運転資金の基礎から、必要額の目安、資金管理のポイントまでわかりやすく解説します。
- 運転資金とは何か
- 運転資金の種類と計算方法
- 運転資金が不足するとどうなるか
- 運転資金を確保する方法
- 資金繰りを安定させるためのポイント
運転資金とは?
運転資金とは、企業が日々の営業活動を継続するために必要な資金のことです。
たとえば、仕入れ代金の支払い、従業員の給与、家賃、光熱費など、毎月発生する経費を支払うために使われます。
企業では、商品を仕入れてから販売し、代金を回収するまでに時間差があります。
この「支払いと入金のズレ」をカバーするのが運転資金の役割です。
もしこの資金が足りないと、黒字経営でも資金ショートを起こすことがあります。
運転資金の種類
運転資金は、大きく分けて「経常運転資金」と「季節運転資金」の2種類があります。
経常運転資金
日常的に発生する資金のことです。売掛金の回収や仕入の支払いなど、通常の営業活動を維持するために必要です。
季節運転資金
繁忙期など、一時的に必要となる資金のことです。たとえば、年末商戦に向けた在庫増加や、製造業の原材料仕入れなどが該当します。
運転資金の計算方法
運転資金は、次の式で求めることができます。
運転資金 = 売掛金 + 棚卸資産 − 買掛金
つまり、「支払いが先、入金が後」となる部分を数値化したものです。
たとえば、売掛金が1,000万円、棚卸資産が500万円、買掛金が800万円の場合、
運転資金 = 1,000万円 + 500万円 − 800万円 = 700万円
この700万円が、会社が日々の運営を安定して続けるために必要な資金の目安となります。
運転資金が不足するとどうなる?
運転資金が不足すると、企業はさまざまなリスクに直面します。
- 仕入先への支払いが遅れ、信用を失う
- 従業員への給与が支払えず、士気が下がる
- 資金繰りに追われ、本業に集中できなくなる
これらは経営の悪循環を招く要因です。
特に、売上が急増している時期ほど、運転資金の不足が起こりやすい点に注意が必要です。
売上増=資金増ではなく、むしろ仕入や人件費の先行支出が増えるため、一時的にキャッシュが減ることがあります。
運転資金を確保する方法
運転資金を安定的に確保するためには、いくつかの方法があります。
銀行融資の活用
短期借入や当座貸越枠を利用することで、急な資金需要にも対応できます。
信用保証協会付き融資などを使えば、中小企業でも比較的利用しやすいです。
入出金サイクルの見直し
仕入先への支払い条件を延ばしたり、顧客への請求条件を短縮したりすることで、資金繰りを改善できます。
在庫の適正化
在庫が多すぎると、資金が商品に滞留してしまいます。売れ筋商品に集中し、回転率を上げることがポイントです。
資金繰り表の作成
毎月の入金・支出予定を可視化することで、資金不足のタイミングを事前に把握できます。
資金繰りを安定させるポイント
資金繰りを安定させるために大切なのは、「現金の動きを把握する」ことです。
損益計算書で利益が出ていても、現金が減っていることがあります。
これは、売掛金や在庫の増加によるキャッシュフローの悪化が原因です。
- 売掛金回収期間
- 棚卸資産回転期間
- 買掛金支払期間
これらを比較することで、資金がどこで滞っているかが見えてきます。
資金繰りの改善は会社の成長を支える最も重要な経営課題のひとつです。
運転資金と長期資金の違い
運転資金は短期的な資金であるのに対し、設備投資などに使うのは長期資金です。
たとえば、新しい工場を建設したり、機械を導入したりする場合は、返済期間の長い長期借入金が適しています。
短期の運転資金を長期の用途に使うと、返済が追いつかず資金繰りが悪化するため、資金の「使い分け」が重要です。
まとめ
運転資金とは、企業が日々の営業を続けるために欠かせない資金であり、経営の安定を支える柱です。
支払いと入金のタイムラグを把握し、必要な運転資金を確保しておくことで、突然の資金ショートを防ぐことができます。
特に、売上が増加している時期ほど資金繰りの管理が大切です。
資金繰り表を作り、銀行融資や支払い条件の見直しなどを通じて、健全なキャッシュフローを維持しましょう。


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